ThinKniT BASE の設計は 建築家 小川博央 によるもの

ThinKniT BASEについて

ーーこの空間イメージはどのようにして出てきたのでしょうか

四角いリングと自然

小川：元々は家庭菜園用の休憩所兼納屋として計画しており、プライバシーを守りながらも緩やかに外部環境とつながるにはどうしたらいいかを考えている中で、四角いリングを内接させながら徐々に積み重ねていけば、人の視線を制御しつつも光や風といった自然環境は取り込めるのではないかと思い始めました。

人の集いと憩い

小川：一番外のリングはベンチとして座れる高さで考えており、休憩時に腰掛けたり、顔見知りの近所の人が通りかかった時などに座ってお話が出来る縁側のような場所をイメージしました。

また、内部空間においては普通に立って水平方向を見ている状態では壁しか見えませんが、座ると敷地周りの木々が見え、寝そべると空が感じられる様な斜めに視線が抜ける空間構成となっています。

Open とClose

小川：閉じつつ開く、開きつつ閉じるといった矛盾した事柄を建築のデザインでどうやって解くか、また四角いリングが重なる部分や、リングと下のツインカーボとの納まり等、ディティールにこだわりました。

斜めと水平

小川：四角いリングを回転させながら内接し積み上げていくというシンプルな構成ではありますが、屋根となる部分は水平では雨が流れませんので斜めになり、斜めの屋根と水平な壁（リング）との難しい取り合いが現場に入って初めて見えてきました。

建築家小川さんについて

ーー日本を代表する建築家の一人、隈研吾建築都市設計事務所でキャリアをスタートさせました。現在の設計スタイルに影響はありますか？

師匠からの飛躍、オンリーワンへ

小川：もちろん影響はあります。ディティールへのこだわり、自然素材の使い方、敷地の外部環境や地域環境とのつなげ方等多くの事を隈事務所で学びました。ただ、それだけではなく独立して14年が経ち、隈事務所で学んだ事を成熟させ、オリジナルの設計手法が確立されてきています。

インスピレーションとコミュニケーションの融合

小川：計画する敷地に立ち、地域環境を調べ感じて、クライアントとコミュニケーションをとり、それらを積み上げてきた多くの知識と自分の考えに融合すれば、自ずと形になるといった感じでしょうか。

記憶に残る建築を喜びと共に

小川：クライアントのよろこびはもちろん、多くの人々の記憶に残る建築を設計し続けたいです。

建築概要

所在地：香川県
構造：木造
敷地面積：832.58㎡
建築面積：30.74㎡
竣工年：2019年
建築設計 : 小川博央建築都市設計事務所
図面・模型・パース: 小川博央建築都市設計事務所

株式会社イチーナ 社長 市場 浩 の想い

建築の挑戦

市場：斬新だと思い、また施工が現実にできるのかと思いました。

光のマジック

市場：どの角度から見ても新鮮で、光の当たり方で色々な表情になるのが美しい。

地域のランドマークへ

市場：地域のデザインのランドマークになればと思います。

株式会社クレアツォーネ　草野信明　TinKniTブランド

ニットを考え続ける

草野：名は体を表すというように、ニットのあるべき姿を考え続けていくブランドとして、ThinkとKnitを合わせた造語でThinKniTとネーミングしています。Kも大文字なのは、その2語のKnot、つまり“結ぶ”という意味です。

ニットの一歩先

草野：従来のニットに対するイメージとは少し異なる“違い”を感じてもらえるように、素材や技術、経験をThinKniT視点で編んでいます。

ニットを新しい世界へ

洗練されているけれど親しみやすい、愉しさにもつながるようなミニマルなニットのコレクションを目指し、編むという行為のポテンシャルを追求しながら、新たなフィールドに挑んでいます。

”夢を編み、想いを編み、喜びを編む“　空間

草野：ThinKniT BASEの四角いリングを積み重ねて出来た空間における、一目一目を積み重ねて編む球体照明のつくる光は、”夢を編み、想いを編み、喜びを編む“というミッションの実現に向けて進む、ThinKniTブランドの世界観を体感できる空間ではないでしょうか。

ニットの輪を大きく

草野：ブランドメンバーの一人一人が誇りを持って編み続けていければ、喜びの輪が少しずつ、広がっていく気がしています。例えば文化の起点が広場であるように、ThinKniT BASEがその起点になることを期待しています。